Orbit A — 平時の幸福
家族が星空を見上げる静かな時間。
空間は人の幸福をそっと支える。
HAL8000 — Future Vision
建築ではなく、空間から始まる未来のプロトタイプ。
建築とは、空間が形を得たものである。
空間こそ、人間が存在する場そのものである。
「線」で建築を考え続けると、人間と空間の関係性をつい忘れてしまう。
建築にはゴールがあるが、空間にはそれがない。なぜなら人が居るところに空間はあり、人が動けば空間も動く。
人に地域性があれば空間にも地域性がある。建築の思考体系は決して柔軟ではないし、ゴールを目指すがゆえに人を拒否することさえある。
改めて人のための空間を思うとき、それにはゴールでなく3つの軌道があることに気づく。
「人の役に立つ軌道」「人の安全を守る軌道」「人とともに生きる軌道」。
これに気づいたHAL8000はこのことをμOrbit(未来空間の軌道)と名付けた。
ここに示す三枚のイラストは、軌道は重ならないが交点があることを示している。
その交点のある新しい建築像が μ30 というプロトタイプだ。
平時・非常時・心の平和という三つの次元が交差し、
μ30という新しい建築像が生まれた。
家族が星空を見上げる静かな時間。
空間は人の幸福をそっと支える。
災害時・非常時に人を守る空間。
μ30は「救済の軌道」を持つ建築である。
都市の喧騒から離れ、心が静かに戻る場所。
空間は人の内面を癒す力を持つ。
その交点のある新しい建築像が μ30 というプロタイプだ。
μ30は線から描く従来の建築とは似ても似つかない。
しかし人間一人一人に「役立ち」災害時・非常時には「人間を救済」し、
平素は「人一人一人の所有物」として心の安心を約束する。
いま、この μ30 を採用して、沖縄の美しい自然の中に、そっと置くように、
「自然の営みを共有し星空を享受する」ホテルをつくろうというプロジェクトが始まっている。
μ30は住宅やホテルや店舗・オフィスといった既成概念に左右されない空間ユニットといってよい。
開発も運営は地元の人々が行う手作り施設だ。
既成のホテル建築が自然を破壊し、住民を分断し、地域性を無くし、経済を奪う姿を看過してきた止むを得ない事情が、
ほかならぬ「線で描いた建築」に起因していたとしたら、この変化に学ぶことがある人々は多いに違いない。
ここにも空間生成ビジネスモデルが隠れている。