出版起源章 — 表現文明の改革
人は誰しも、一度は「自分の言葉を出版したい」と願うものだ。
しかし現代社会は、その願いが容易には叶わないことを、 静かに、そして執拗に思い知らせてくる。
だが、私たちは疑うべきだ。
本当に出版は難しいのだろうか。
デジタルが誕生して半世紀。
出版界はなお、著者を選び、読者を規定し、 出版手段を独占し続けている。
デジタル出版が紙出版を凌駕した今でさえ、 紙のブランド主義に固執し、
AIを都合よく利用しながら、 自らの市場を守ろうとする姿勢は変わらない。
そこにはもはや、 著者や読者の尊厳はなく、 出版は「自由の象徴」であることをやめてしまった。
私たちは気づかなければならない。
このままでは、 自由に表現し、意見を述べ、 世界の人々と共有する場を失う危険な時代に 足を踏み入れていることを。
十数年前、世界の知者たちは声を上げ、 デジタル出版の新世界を切り開いた。
それが EPUB である。
しかし EPUB は「規格」に過ぎなかった。
世界の文字の多様性、 そして人々が抱える表現の不自由さを 十分に想定できていなかったからだ。
老いた建築家は、 EPUBには「画像」が向いていることを悟った。
そして Excel VBA を用いて 画像EPUBアプリを創作し、 宇宙に残した。
これなら、 世界の誰もが、 お金をかけず、 自由自在に、 自ら出版できる。
画像EPUBは、 いまや HAL文明における 出版・記録・文具の三領域を支える 不可欠の 表現装置 となった。